甲斐駒ヶ岳を黒戸尾根から登ります。
このルートは登山口となる駒ヶ岳神社から甲斐駒ヶ岳山頂まで標高差2200mあって、日本三大急登のひとつとして知られるタフなコースです。
現在は北沢峠からのルートがあるため、使う人はそれほど多くありません。
駐車場から約5分を歩いた先の駒ヶ岳神社を奥まで行き、吊り橋を渡ります。
吊り橋渡ると登山道のスタートです。前半は、どこまで行っても樹林帯で同じような景色が続きます。
道は緩やかになったり急になったりします。急な区間は確かに急登です。
刃渡りという場所を通過します。ここは眺望がありそうですが、今日はガスっていて見えません。
両側の切れ落ちた刃渡り
五合目避難小屋跡地を通過し、もう少し先に何かが祀られた広場があります。
登り始めてから、すでに4時間経っていて、すでに疲れているころですが、黒戸尾根はそんな甘いもので許してくれません。ここからハシゴや階段、クサリが連続しはじめ、上昇角度はもはや垂直に近くなります。容赦ありません。
どうにか約5時間かかって七丈小屋に到着しました。
登りだけで5時間というのは、私の感覚では結構ハードな認識なのですが、この尾根は急登やハシゴがあるので、疲れも倍増します。
七丈小屋は小さな小屋です。
水場は小屋の前にあって豊富に流れていました。
トイレは強い芳香剤で消臭されているので、見た目より快適です。
小屋番さんがきっちりメンテナンスされていることを感じさせられます。
ちなみにビールもちゃんと売っています。
テント場は小屋から5分程上にあります。
私がテントを張ると雨が降りだしてきました。 雨がやんだ時に、目の前に鳳凰山が見えました。
鳳凰三山
翌朝から甲斐駒ヶ岳山頂を目指します。
剣が立った岩
ようやく森林限界を抜けると、八ヶ岳、鋸岳が見えてきました。
七丈小屋より上も相変わらず、岩場やクサリが多いです。
午前7時に山頂に到着。七丈小屋に泊まれば、朝、早めに山頂に立てるのが利点だそうです。
鳳凰山、仙丈ヶ岳、北岳、間ノ岳と、その奥にはたぶん塩見岳が見えていました。
仙丈ヶ岳
北岳・間ノ岳・塩見岳
あいにくの雨の日の合い間でしたから、この風景でも上出来だったと思います。
そして帰りは、標高差2200mを一気に下ります。
途中、テントを撤収したり、昼食を食べながら、6時間かけて登山口に戻ってきました。
このコースはきつかったうえに、樹林帯が多いのであまり人にお勧めはできないような気がします。
ヘトヘト顔で下っていると、途中で妙にハイテンションでイケメンの人に「こんにちは~」と、挨拶されました。NHKの番組の取材のようです。9月か10月頃に放送するにっぽん百名山?という番組で、放送時間は確か7時30分からと言っていたように思います。
すれ違ったシーンを番組中で使うかもしれないと言われました。しまった、それが分かっていたら、もっと余裕みたいな顔をしたのに。