今年1月に雪山の野坂岳に登った時、避難小屋で一緒だったご夫婦から「山コースは、ブナ林とイワウチワが咲き、静かでいいですよ」と言われて、登ろうと思っていた。そして本日、期待して登ることにする。
県道211号線を走り山集落へ。集落に入ると黒河川に架かる赤い橋を左に見て、100mほど直進すると『右;野坂山登山口』の標示に従う。50mほど走ると『左;野坂山登山口』の標示があり左折して橋を渡ると民家が無くなる。
『熊注意』の看板を見て、300mほど舗装されたアラ谷林道を走ると地道となり、民家の外れからだと約900mで駐車場に着く。
山コースは関電の巡視路を利用した登山である。約十台駐車場(登山口)から小屋前を通り、右奥にある小さな金属の橋を渡る。谷沿いの広い道(左岸)を歩くと、関電の鉄塔標示分岐があるが、谷沿いの道を直進する。
100mほど先で沢を渡渉して、谷から離れ尾根を越す。やがて渡渉した谷の南にある谷沿いを歩くようになる。
そして、関電の『火の用心・No435』と記されたプレートがある。指示に従い右折してチョロチョロ流れる小さな谷間に入る。谷間にはイカリソウが咲いており撮影タイムになる。
暫く谷間を上がってから、斜面をジグザグに登ると5分ほどで植林から雑木林に変わった尾根道になり、少し登れば鉄塔1番目(No435)に着く。
巡視路なので、道はしっかりしている。テープも多く有るが、少し外れた藪に巻かれていることが多い。どうも雪山で登った時の目印のようである。
十分ほどで2番目鉄塔に着くと見晴らしが良く、眼下に敦賀市街地や山頂が望まれるが鉄塔・送電線が被写体に入る。
新緑の青葉が美しいブナの木が自生するようになり、シャッターを押す回数が増える。3番目鉄塔を過ぎると、大木(古木)のブナの木が点在するようになる。古木に近寄りパワーをもらい、そして癒される。
境界尾根に辿り着くと右折する。目印のテープや紐が多く有るので、下山時に直進はしないと思われるが、直進にも紐があったので。地形を覚えておく。
境界尾根出合から少し下り、同じほど登り返せば4番目鉄塔があった。これなら地形を覚えなくても良かった。素晴らしいブナの原生林が続き、残雪を踏むようになる。
P797mも下山時には注意のいるポイントだ。ここも目印の紐などが多くあり、赤ペンキでブナの木に矢印があったが見落とさないようにと思う。
今日の目的の1つであるイワウチワは、2番目鉄塔あたりから、キラキラと輝く葉が群生しており、蕾はあるが花を見つけることが出来ず(いこいの森コースでは咲いているのだが)。しかしイワウチワの中にカタクリがひっそりと咲いているのを見つける。
やがて、雪の重さと強風で地を這うようなブナやリョウブの潅木内の道を登ると、視界が広がる。山頂は近いが、花の観察でなかなか進まない。
誰もいない(1人登って来たが直ぐに下山)野坂岳頂上だった。日本海からの風で雲が湧き上がり、西から若狭湾方向は展望がない。
6回目ともなると、展望はそこそこにして、ゆっくりと食事をし、昼寝をしてから下山する。
ブナに癒されながら下山。登りでは分からなかったが、邪魔をしていた倒木近くに4輪だけイワウチワが咲いていた。プチ満足をして駐車場に戻ることができた。
もう少し時期を遅らせれば、イワウチワが多く咲き、境界尾根ではブナのグリーンシャワーをいっぱい浴びることが出来ただろう。
ブナ林の素晴らしい山コースだった。
休憩なしだと登り2時間30分 下り2時間ほどか。