島々から徳本峠を越えて上高地に入る計画を長年温めてきた。
上条嘉門次の案内でウオルター・ウエストン、串田孫一や多くの人々が足跡を残したこの道を。
しかし、今回霞沢岳に登った帰路にすることで実現した。
夏の霞沢岳は徳本峠小屋の主人が仰るように熱中症には十分注意を!
その通り、霞沢岳のピストンにはその素晴らしい眺めとは裏腹に脱水症ぎみの疲労を残した後の下りとして実現した。
小屋で朝食を済ませ、峠で明神岳の素晴らしい眺めに別れを告げ、
小屋のすぐ前の分岐から下山道へ、峠沢を岩魚留小屋まで岳樺の下、草に囲まれた電光方の道が続く、途中力水を過ぎるとやがて沢音が下から聞えてくるようになるが、電光方の道は続く。
右から、左からの小沢を合して水音が大きくなってくる、
岩魚留ノ滝を過ぎると間もなく岩魚留小屋の前に出る。
小屋は休日にもかかわらず締まっている様子、何時営業しているのか?それにしてもかなり古く、痛みも進んでいる様子!?
小屋のベンチで休憩
小屋から二俣へは島々谷南沢に沿って沢を左右に渡りを続けながらの下りは、これまでとは異なり緩やかな下りで道もしっかりしており緑陰の下の歩きを楽しめる。
この辺りまで来ると苔むした石積みの道壁が目に付くようになりその造りから想像するに相当古くから利用されていたであろうことがわかる。そういった事などに思いを巡らしながら歩くのも一興である。
新しい橋(木橋)も整備が進められ特別な危険箇所も無くどんどん下るが、矢張り自然の猛威?2,3箇所橋が決壊したり、沢の水嵩が上がって渡渉には靴が濡れそうな箇所もあり、雨降りには要注意だ。
沢音を楽しみながら下るとやがて、戻り橋、行き橋を渡ると
間もなく
“三木秀綱夫人遭難の碑”が現れた。
其処から間もなくで二俣の砂防ダムに出ました。
二俣から島々までは治山道路を歩くことに、工事用車のみが通れる未舗装路、道幅が確保されている分日当たりが強い陽射しの中の歩きとなった。
島々谷川に沿った下りを最後の踏ん張りと暑さの中を頑張りました。
東京電力の水力発電所を右に見ながら、車止めゲートが3ヶ所、
最終ゲートを過ぎると大きな広場に出る、ここが登山者用の駐車場か?
さらに進み“信濃路自然遊歩道”の案内標識のところまで来ると民家も見えてきて、携帯のアンテナも立ち、ここからタクシーを呼んで、竜島温泉せせらぎの湯に向かった。
振り返ってみて、やはりこの道は登りに計画し、しかも季節は春か秋
新緑あるいは紅葉を愛でながら登り、岩魚留小屋から徳本峠までの急坂を喘ぎ登りきった峠に出て、あの素晴らしい明神・穂高の岩峰の風景に出あうのが、感慨も深いもになるのかもしれない!
機会を見て再来を願いたいと想っている。