2月に母が亡くなりました…。
その母が、記し残していた詩集には
日本に山は数々あれど、
「あの黒姫山だけは、登りたかった」
と記してありました。
雪深い故郷に生まれ育った
おかっぱ頭の母が
祖母と一緒にいつも眺めていたのはこの黒姫山でした。
「こころの山」という言葉がありますが
母のこころの山は、
故郷から見えた「刈羽黒姫山」だったのでしょう。
私は母の死から、ふさいだ日々が続きました。
しかし、悲しんでいたら
あの世の母も心配するに違いありません。
それなら「そうだ、山に行こう。」
母の夢を叶えに行こうと決めました。
母の行きたかった「黒姫山ハイキング」です。
母親の位牌を胸に、諸国を旅した山頭火ではありませんが・・・・
私の山支度は母の位牌と、
母の好きだった名無しの猿。
(母なき後、「もん吉」と名づけました。)
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もちろん、アタックザックの熊白郎(くまじろう)も参加。
熊白郎は、母の位牌を背負ってもらう大役です。
残雪期のため、車が通行できるか心配しましたが
磯之部まで入れました。
これならとっても楽。
一時間で山頂に着けます。
磯之部の村は、高所にあるため
全体が素晴らしい眺望に恵まれています。
村から山が見放題でした。
トイレが目印のスタート地点。
雪の壁を登って、ブナ林を歩きます。
マンサク・カタクリ・かご花(ショウジョウバカマ)の花盛り。
「花の名前、よく教えてもらったよね」
「ほら、ほら、大好きな山菜もありますよ~」
心の中で、母に語りかけながら登ります。
急登が続き、
お天気が良かったので、汗をかきます。
休みながら振り向くと、なだらかな山々。
遠くは苗場、越後三山や巻機山。
志賀高原付近や、信越の山々も見えます。
最寄の「男山」はかなり可愛い山です。
この時期でも眺望は無さそうです。
男山を追い越して、急登を詰めると尾根に出ました!
柏崎の海が見えました。
山から海が見えるって、いいですね~
じきに山頂に着きました。
刈羽三山の「米山」が正面に見えました。
美しく、立派でした。
黒姫山は、夏だと眺望はあまり良くないかもしれません。
山頂標識は雪で埋もれていました。
ここで
記念撮影。
いい眺めです。
「美人林」に近い、母の故郷も見えているはずです!
↓

私には見えませんが
母はどうやら、私の隣にいるような気持ちになります。
この山頂の景色を傍で見ていることでしょう
もん吉、熊白郎は楽しそう!
母の詩集にある、こんなうた見つけました。
「襖ごし 登山の用意する娘 眠れぬ夜が続くこのごろ」
微妙な心境ですが
「山登り やめられませんと 母に詫びつつ・・・・」リンダ
と、返します。おそまつさまでした(爆!)
帰りはピストンだとさびしいので
海を見ながら周回し
757mピークを経由しました。
地図にはない道を歩いたので
プチ・バリエーションルート?でした。
こんな時、トレッキング・マップ・エディターの活躍です。
地図があってよかった
しかし、残雪が溶け出した山道を
ズルズル滑りながら降りることになってしまいました。